不動産の事務ってよく求人を見かけますけど、これってどんなことをやるでしょう?
会社の規模、売買に力を入れているのか、賃貸に力を入れているのかで全く仕事内容が変わってきますので、小さな不動産屋から大きな不動産屋まで内部を見てきた私が超具体的にお答えしたいと思います。
もし、クレームの電話を事務が対応しないといけないならば相当キツい仕事ですし、やれる自信がないという人も多いでしょう。不動産の専門知識がないのに契約書を作成しないといけないと言われたらその責任重大さに震えます。
どんな仕事内容なのか、各会社によって異なることは分かっているのですが、自分自身が本当に務まるかどうか、ある程度見当がついてから応募したいんです…と考えるのも当然のことと思います。
本当に会社によって違う仕事内容になるので、じっくり読んでくださいネ!
目次
小さな不動産屋での事務仕事
まず、地域密着型の小さな不動産屋さん(賃貸・売買ともに)が募集している事務はこんなことをします。
・物件が募集中かどうかの問い合わせ対応(賃貸)
・物件がまだ売却中かどうかの問い合わせの対応(売買)
・問い合わせがあった物件の図面をFAXで送る。
・店頭広告の作成(ExcelやWordなどで)
・チラシの整理(折込チラシの他、マイソクやレインズの物件資料)
・WEBで物件情報の登録・修正・削除
・お客さんからの問い合わせに対する簡単な電話対応
・大家さんへの毎月の家賃の支払い
・家財保険の手続き
・家賃送金手配
・日々の入金確認(銀行にいって記帳する)
・管理物件の見回り
・空き物件の写真撮影
・営業マンやお客さんへのお茶出し
・賃貸の場合、入居申込書への記入の対応
・繁忙期で営業マンが出払っているときは案内代行 などなど
ちなみに大変ですw 時給850円のパートとかで重要な顧客の対応や大事な案内の代行しろと言われるのは割に合わない仕事と言わざるを得ません。
事務、正社員として働いていたとしても営業マンとの給与の格差は当たり前で、基本給に数万円(4~5万円)の差があったとしても何もおかしいことではありません。不動産というものが好きな人であれば耐えられるかもしれませんが基本的には割の良い仕事とは言えないでしょう。
ちなみに新卒の営業マンの給料22万円、事務は18万円という会社を知っています。まあ営業マンとしてはやりたくない雑務を事務員さんがいないと自分がやらざるを得ないのでどこの会社も常に仕事のできる、いわば都合の良い事務員さんを常に募集しているということになります。
社員として働くことは考えておらず、扶養から外れないよう年収103万とか130万円以内で抑えたいパート希望の人は小さな不動産屋で働くのは色々なメリットもあるとは思います。家から比較的近くにある不動産屋さんでも年がら年中そう言ったパート事務員さんを募集しているでしょうし。住まいが好きとか不動産に興味があるとか、そういう不動産に身近なところで関わりつつパートとして働きたいという人には合ってますよね。
ただ、正社員希望の方にはあんまりおすすめできないですねぇ。
例えば先ほど例に出した基本給18万円しかもらえない事務員さんは、営業マンに比べて残業をせずに早く帰ることができますが(仕事が終われば…ですが)、週一休みという条件は一緒だったので本当に報われない仕事だったと思います。
大きな不動産会社での事務の仕事
町の小さな不動産屋さんで働くのではなく、都心部のオフィスで働く大手不動産会社の事務職はどんな仕事をするのでしょうか?
小さな不動産屋さんに比べると業務範囲はかなり狭いです。
・送金手配、ただしミスは信用に関わるので許されない。何人かで確認作業を繰り返すことは必須
・電話・問い合わせの取次ぎ(自分が答えられないことは担当から折り返すといって答えない)
・フォーマットを使った書類作成、契約書の作成など
・入居情報の登録や変更など(専用のシステムあり)
・ほとんどの作業はパソコンで完結(Word、Excel、それ専用の社内システムなど)
ちなみに僕自身が小さな不動産会社の営業マンから色々事情があって仕事を辞めて、こういう大きな不動産会社の事務職として勤務することになったので、色々と新鮮に思ったことがありますね。
まず、与えられた裁量が少ないということでしょうか。営業マン時代は集客から接客、契約書作成から物件管理まで全部自分で行いましたが、大きな会社の事務職は1つの業務に特化して仕事を覚えていくといった感じです。
不動産会社で行う業務ならほとんど分かっていた僕としては与えられた裁量が少ない=負荷が少ないということで超ヒマでした。なので繁忙期にも関わらず定時で帰宅してました。(今は色々仕事を振られるためそうはいきませんが…(^_^;) )
大手だからこそ、法令遵守(コンプライアンス)には敏感ですし、FAX1枚送るのにも色々と煩わしい手間が必要だったりします。例えば誰かに番号を確認してもらわないとFAXを送れないとか。
まぁ、残業代はしっかり出るし、まともな会社であればあんまり遅くまで仕事をやらないように、ということで指示が下されますので過剰負荷になることもないので従業員の立場からするとよほど働きやすいと思いますよ。
僕の実経験に基づく小さな不動産屋と大きな不動産屋の違いについて
小さな町の不動産屋さんで働く場合は週休二日と言えども隔週だったり、ひどいところでは週一といったところもありますが、大きな不動産会社での事務の場合は法令順守がなされているので完全週休二日制度のところが大半です。
求人広告に書かれているとおりの条件で働けるのは基本的に大きな不動産会社の事務職のみで、小さな会社は場面場面で臨機応変な対応が求められるので仕事量で比べると歴然の差があります。
そんなラクとも言える大きな不動産会社の事務職ですが、町の小さな不動産会社で働くよりよほど給料(時給)が良いというのだから不思議なものです。この真実を知ることなく身を粉にして小さな不動産会社で悪条件の中、頑張る事務員さんには頭が上がりません。。。まぁ、かつての僕もそんな身分でしたが。。。
ちなみに小さな不動産屋さんは基本的に社長が絶対なので社長に嫌われてしまったら御仕舞いです。労働基準法なども無視しまくりの不動産屋さんの社長も多いのですが逆らえず、言われた条件で働かざるをえないという状況に遭遇することも十分考えられるため、そういったリスクを避けたいなら(皆さんそうだと思いますが…)大手不動産会社の事務職として働くことをオススメします。
やっぱり働くなら大手!条件の良い事務職の探し方!
昼休みなども大きな違いあり、大きな会社は1時間きっちり休憩時間が取れるのに対し、小さな会社は休憩時間ですら流動的です。すべてはそのときそのときで決まります。僕なんか営業マンだったからっていうのもありましたが昼休憩なんてありませんでしたし5分くらいで流し込むようにして昼飯を食べてましたよ(^_^;)
小さな不動産会社の方が優れている点があるとしたら、営業スキルのある事務員さんはその才能を買われて営業ウーマンに転身して歩合を稼ぎまくるという道が用意されているということでしょうか。また色々な仕事をさせられるので不動産業界で働いていくための力や耐性は身につくと思います。
大変な職場で働くことで「適応力」が備わり、今後どんな会社で働こうとも合わせることができるようになるというのも仕事負荷が高い小さな不動産屋で働くメリットだと言えますね。
宅建は持っていたほうが小さな不動産屋さんで働くにしても、大きな不動産会社の事務職で働くにしても有利に働きますので、もし時間があれば勉強をして宅建資格を取得するのもいいでしょう。事務でも宅建手当が付くことがあります。大手不動産会社だと宅建は社員登用や出世要件に関わってきますので頑張って取得されることを勧めます。
このように色々な面で比較すると入社するのは難しいですが、間違いなく不動産事務で働くならば大手ということになるでしょう。
大手不動産会社の事務職の求人を探す際の盲点。
知らない人がほとんどですが、実は大手不動産会社の事務職って正社員で募集していないことがほとんどなんです(;^ω^) 正社員採用ほぼゼロです。なので、そういう大きな会社に入るためには派遣社員でまずは働き始めるんです。
派遣社員といっても安心してください。紹介予定派遣というものであれば働きぶりに問題ないかぎり直接雇用(派遣社員から契約社員や正社員に登用されるということ)に切り替えてもらえますので。※そうじゃない求人案件もあります、注意しましょう。
通常派遣社員から正社員にいたるまで1年~3年ほどと言われてます。でも、そうまでしても大手不動産会社の事務職というのは魅力がある仕事だと思います。僕はこんなに負荷がない仕事で500万そこそこの給料がもらえるなんて幸せだなぁ〜と思います。※勤続年数が長い人は肩書きはないものの600万近くもらってます。(注)正社員
ちなみに派遣社員の時は条件が悪いのか?ってことが気になると思いますが、そんなに条件は悪くないですよ。
例えば、あなたが今検討をしている求人情報と以下の求人を比べてみてください。もしかしたら、驚かれるかもしれません。かなり好条件なのにやることは未経験者でも全然勤まるようなシンプルな仕事ばかりですし…。
※下記の求人はリクナビ派遣で見つけて持ってきました。リクナビ派遣での良い求人の探し方はコチラをご参照ください。
それで330万くらいの年収(残業代合わせて)ならば悪くはないと思います。特に大手不動産会社の事務系の仕事は女性が多い職場が多いので女性の皆さんにとっては働きやすい環境が整っていると思いますヨ。時給1500円以上の仕事がゴロゴロしてますしね。
正社員にこだわって探すと本当に大変なので、大手不動産会社に何とかして入社したいなら派遣社員という選択が正解だと思いますよ。
(参考)派遣社員で良い不動産会社に入社しよう!失敗しない探し方→都内限定です。
不動産事務に適性について実在人物7名から考えてみる。
不動産事務に適性はあると思います。 そんなに難しいことを要求される仕事ではないですが、確実に”向いてない人”がいるのは確かです(^_^;)
ずぼらな人…、根気のない人…、アクティブに動いていたい人… とかは向いてません。
そのあたり、本気で不動産事務という仕事を考えている人はこのページも見てみてください。僕が今まで一緒に働いてきた女性7人を例に不動産事務で働く人の適性というものを考えてみました。
どうしようかなぁ~…とモヤモヤしてる人は、これを読めばある程度頭がスッキリすると思いますよ^^
(参考記事)女性社員比率7割!不動産事務会社で働く僕が教える、この仕事に合うタイプ。
大きな不動産会社ってどこ? 優良企業について
会社の口コミを調べるには「転職会議」と「vokers」というサイトが便利なんですけど、それらのサイトから優良と思われる不動産会社をピックアップしてみました。
あぁ、あそこか!というように知ってる会社もあるかもしれないっすね。転職先候補をあぶりだすには優良企業の一覧を見るのもいいかもしれません。
http://fudousan-tensyoku.jp.net/?p=317
あとは単純ですが聞いたことがあるとか有名な会社の冠がついてるとかですかねぇ。三井何ちゃらとか三菱何ちゃらとか、そういう社名の会社は大企業のグループ会社なのでマトモな会社が多いですね。
【不動産事務のまとめ】、これだけ覚えておけば OK!
さて、かなり長い記事になってしまいましたので、最後にを「
【不動産事務のまとめ】
小さな不動産屋さんのパート求人はどこでも見かけます。
社員としてガッツリ働きたい人には、
ということで僕的には大手不動産会社で働くことをオススメします
小さい会社でも大きな会社でも宅建があると便利です。
大手不動産会社の事務職のほとんどは正社員では募集していません
派遣会社にも優劣があって、