若い純真無垢な人材を使いまわす… すれてない人間を安月給でコキ使う。
そういう大人の事情で賃貸仲介は成り立ってると思います。
よく、お客さんから「部屋を探しに言ったら若いチャラチャラした子しかいなくてあの店はダメだと思ったわ…」なんて話を聞きましたが、ある程度年齢を重ねてくると不動産業界、特に賃貸仲介に未来はないなと思って人が辞めていくわけですよ。賃貸仲介は若い子にしか務まらない体力勝負の仕事なんて紹介のされ方をしますが、明らかに労力に対してのフィーが少ないんですよね。それに気づいた人からどんどん辞めていくことになります。だから賃貸仲介の離職率は高いですよ、間違いなく。
僕は一度決めたことは貫き通したい性質なんで、賃貸仲介として社会人デビューした後はよその会社に目もくれず、ひたすら目の前の仕事に集中していましたが、得られる報酬と比べるとどれだけ自分は損してきたのかな…って今更悔いてます。もっとあの労力に対して高い金を払ってくれる会社(不動産業に限らない)はあったはずなんです。
だから不動産会社で働くことを決めた過去の自分を恨めしく思いましたよ。俺にも出来そう、最初に内定をくれた会社で働こう、将来は不動産オーナーになって金持ちになんて安易に考えていた自分を叱ってやりたいです。
僕は都合4年半賃貸仲介を経験して、その後に売買仲介の道へと進んでいくんですが、僕より後に入社してきた人がその間に何人辞めていったかなんてもう今は分かりません。両手でも数えきれないくらいの人が辞めていきました。離職率とかそんな問題じゃないですよ。今、僕が働く会社でも1日出社して次の日には出社を拒否した派遣社員さんがいましたが、前の会社だと正社員で登用されたのにアルバイト感覚で逃げ出す人間が多かったですもん。
僕自身が甘い話に騙されないように他の会社の給料や他業種の給料などを極力気にしないようにしていたので、「全然休みがないから…」とか、「忙しくて大好きな声優のイベントに参加できないから…」なんて言っちゃうヘタレどもにその時は一切共感できなかったんですが、今なら少し分かります。いや、ひいきにしてる声優に会えないから辞めるっていたキモ男には今も共感できないんですがネ…。
俺はとにかく脇目を振らず走ってました。賃貸仲介っていうと仕事柄、相手の年収なども丸分かりなんですが、自分よりもよほど仕事ができなそうな人間が俺よりも年収が200万も多いなんて場面に遭遇するのはザラでしたからね、、、 本当に他人と比較しないってことを心に決めておかないとやっていけない商売ですよ。
30になる前に決断したいですよね。人間って頑張ってきたことを手放すのは惜しいって気持ちになっちゃうみたいなんですが、僕は賃貸仲介に見切りをつけるタイミングは少し遅かったかなと思っています。いや、賃貸仲介で繁盛させる道もまだ残っているし、俺だって頑張ればそういった新しいサービスを考えつくことができると思うんですが、どうしても成功したときのインパクトが他の儲かる仕事に比べると低いんですよね、、、
何でフィーが低い賃貸仲介で頑張らなきゃならないんだろ?って思ったときに俺にはそこで頑張り続ける特別な思いはなかったんですよね。
だから変な意識に縛られず、すんなりと辞めようと思いました。 俺には賃貸仲介が天職だ、これで一生食っていきたいなんて気持ちがあればまだ続けていたかもしれません。
まあそんな極端な確信を持っている人なんてほぼいないと思いますがね。 僕の中ではそれに近い気持ちで働いている女性営業マンが一人いましたが。
とにかく俺は別に営業なんて好きじゃないし、割に合わない給料しか貰えないなら他のことをやろうと思っただけです。そしてそれが今まで頑張ってきた知識やら経験などが使えるならばいいんじゃないかと思ったまでです。遠回りはしたけど行き着いた場所は悪くないね、そんな風に思える人生でありたいです。