なんとなくジャケ買いしたこの本。
《サザエさんの「花沢不動産」はなぜ潰れないのか?》
大して期待してなかったのですが、ボチボチ面白かったです。
取り敢えず、現役の不動産会社の社長でもある著者がカツオを大絶賛してるのがなんか笑えます…(笑)
カツオが不動産屋に向いているか向いていないかはさておき、個人経営であろう花沢不動産の商売作法を分析(妄想?)し、成功する不動産屋のやり方について考えるのは中々斬新な切り口でございました。
この本を読んで改めて思ったのは、やはり僕は不動産屋には向いてないな…ということ。特に個人経営の不動産屋にはまったくもって適性がなさそうです。
今!まさに不動産屋の開業を考えてる人がこの記事を読んでる可能性は限りなく低いとは思いますが、個人経営の不動産屋の在り方、商売の仕方が盛り沢山なので機会があれば《サザエさんの「花沢不動産」はなぜ潰れないのか?》を読んでみてください。
僕なりにこの本の中で記憶に残ってる箇所などをピックアップしてみます。また、なんで僕が不動産屋に向いていないと思ったのか、その理由を最後の方に書いておきます。まぁ、不動産屋を開業して、仮に上手く事業が回り出したとしても全然ワクワクした気持ちにならないなぁ…というのが理由ですけどね(^_^;)
個人経営の不動産屋の成功像
花沢不動産の社長、金太郎氏の1週間のスケジュールはこんな感じだろうと妄想して書いてる章があるのですが、妙にリアルです。
木曜日 休みの間に起きたクレームの対応
金曜日 地元商店会に協力
土曜日 管理物件の問い合わせ対応
日曜日 商店会のイベント、運動会に顔を出す
月曜日 案内をした仲介に電話
火曜日 契約書作成
ポイントは地域密着かな。商店会とか運動会とか。こういう地域の催し物に顔を出してコネクション作りをするのが大事と言う著者の意見に僕も賛成です。
大家さんと深い関係を築くことで固定収入を得られる物件管理と広告費を貰える入居者募集の機会を得るという意味では地域の催し物に参加するのはものすごく効果的だと思います。
あとは常日頃から地域の皆さんに顔を売っておくことで、娘や息子の結婚や引越しなどのタイミングで相談を自然に受けることになり、新築戸建を紹介するなど売買仲介案件も転がり込んでくることもある、というのもその通りだと思います。
個人経営の不動産屋の生き残る道=地域密着、それもかなり深いレベルでの密着という主張は的を射た意見ではないでしょうか。
ちなみにかなり深いレベルでの密着が出来ている人は不動産屋の社長でも少ないと思います。僕は全く興味がないし、やりたくないですね(^_^;) 商店会のイベントに小まめに顔を出せとか苦痛でしかない…(苦笑)
著者は何故カツオをここまで推すの?
著者の齋藤さん、冒頭で申し上げましたが絶賛カツオ推しです。反面、ドラえもんののび太はメチャクチャこき下ろされてます(笑)
今の今までカツオが不動産屋の営業にピッタリだなんて考えたことがなかったのですが、著者が言う通り、適任なのかもしれませんね。
頭の回転が早い、トンチがきく、懐に入るのが上手などなどカツオには不動産屋の仕事に使える特長やら技能が備わってます。
その点、のび太は最強の相棒、ドラえもんがいないとクズですからね(笑) 著者がこき下ろすのも分かりますわ(^◇^;)
僕が思うカツオの特に優れている能力は権力者(磯野家で言えば波平)に取り入るのがメチャクチャ上手いところですかね。
営業も決裁権を持ってる人をどう口説き落とすかがキモじゃないっすか。
この本に出てましたが、「大地震が来たときは1番大事なものを持って家から飛び出しなさい」と波平に言われて、磯野家で避難訓練が行われたときに各自何を持って避難したと思います?
サザエさん→通帳と印鑑
ワカメ→お人形
そして肝心のカツオは…
貯金箱とかマンガではなく、波平を背負って避難したそうですよ(笑) なんと抜かりのない奴(笑)
それに喜んだ波平からちゃっかりお小遣いを貰ったカツオ、営業センスは抜群と言っても過言ではないですよね(^_^;)
個人経営の不動産屋の向き不向き
不動産屋さんにも色々なやり方があると思いますが、《サザエさんの「花沢不動産」はなぜ潰れないのか?》に解説されていた商売の仕方で成り立ってる個人経営の不動産屋って結構あると思いますよ。
僕が以前働いていた小さな不動産会社でも社長はご近所付き合いは凄く大事にしてましたし、その繋がりによる紹介客もボチボチいましたしね。
なんていうかナチュラルボーンセールスマンといったように根っからの営業好きならばこういう個人経営の商売も悪くないんでしょうが、人付き合いは人数を絞って、限られた人とだけ仲良くやれれば良いって考える僕には全く合ってないんですよね。
僕的に他人の家の相続事情とかどうでもいいって感じ…なんで不動産について相談を受ける身分が羨ましいとか全く思わないっす。例え、それで普通の人の10倍稼げるとしてもあんまり情熱が湧かないっす…(^_^;)
なんだかんだで独立を夢見る不動産営業マンって多いと思いますが、ご近所付き合いを大事にするとか地味な行為が商売を支えてくれているもんすよ。
不動産についての問題なら難問・奇問なんでもござれ!ぐらいの覚悟がないと個人経営の不動産屋の社長としてはやっていけないでしょうね。
僕は厄介ごとに常に悩まされている自分しか想像できないので全く不動産屋の社長に憧れませんわ…。。。
こういう自分に気付けただけでも、この本を読んでよかったかもしれませんね。独立したいよ症候群に掛かってる人は読んでみてください。