不動産営業とは辛い仕事である。
それは周知の事実であるし、僕が今更言うことでもないのだが、敢えてもう一歩踏み込んで考えてみた。「何故、不動産営業はかくも辛い仕事なのか」という哲学的な問いをだ。
今回はそんな答えなき難題に対する自分なりの答えを書いてみようと思う。
消費者相手の仲介が一番辛い
いつ見ても求人広告を見かける消費者相手の不動産営業(仲介)のお仕事。←実はこれが不動産営業の中で一番辛い。
何故って、相手(一般消費者)の都合に合わせて仕事をしなければならないからだ。まさに御用聞き。
BtoCの仕事の辛さは以前に述べた通りだ。
何でアンタの為に奴隷のように働かないといけないんだ、いい加減にしてくれ!俺には普通に休むという基本的人権はないのか!という感じで追い込まれていき、遂には仕事が嫌になるわけだ。
いくら接客が好きな人でも休み返上で仕事したいとは思わないだろう?
プライベートを侵食されてまでやりたい仕事、見返りのある仕事ではない、それが消費者相手の不動産営業(仲介)が数ある不動産営業の中で一番辛い理由だ。
余談だが、僕が賃貸仲介の現場で働いてる時に「○井に転職しようぜ!」ということをよく冗談で話した。仲介の僕らは休み返上は当たり前、真夜中まで追客やサイト更新、書類作成をしているにも関わらず、不動産を貸す側の不動産会社となると18:00できっかり留守番電話になって電話が繋がらなくなるし土日が休みだったからだ。
仲介は現場仕事でしんどいが、それに比べると不動産会社(貸主)は現場から離れた書類仕事でラク。ズバリ書いてしまうと怒られそうだけど本当にそうなんだから仕方がない。
ということで仲介が辛くて辞めたくなってる人は貸主ポジションを目指して転職するべし。
賃貸だけなく売買だって辛い。
勿論、賃貸だけでなく消費者相手の売買仲介も辛い。人生の一大事に付き添えるダイナミックさが魅力とされる仕事だが結局は御用聞きだ。
何故、夜中しか家にいないからという理由で22時過ぎに御宅訪問せねきゃならんのだ…。何故未公開情報を入手した時にこちらからご機嫌を伺いつつ連絡せにゃならんのだ…。そんな条件で物件が見つかるなら転売目的で俺が買うわ…
我儘言いたい放題のモンスター消費者に付き合わないといけない意味が分からない。そんな人にも実際に会って誠心誠意話しをしてこんがらがった考えをまとめてあげるのが営業の仕事だよ、と言われ散々モンスター消費者に尽くしてきたが、そんなことをやる必要はなかったと今は思ってる。
買うべきかどうか迷ってる人に付き合ってる暇などない。これを買うと決めてる人とだけやりとりをしたいのだ。売買仲介を否定するつもりは全くないけど、僕は断言する。「ブランドバリューのない名もなき不動産仲介会社では絶対に働かない。」…だって、そこには買うと決めてるお客さんはやってこないから大手に優良顧客はほぼ流れますよ、マジ。
ということで、不動産営業は何故かくも辛いのか、という問いに対する暫定的答えは我儘言い放題の一般消費者に対して御用聞き営業しているから、だと考えます。よって全ての不動産営業の仕事が辛いわけではありませんが一番求人を多く見掛ける仕事(一般消費者に対する不動産仲介)はめちゃくちゃしんどいので注意が必要です。
それを解消するためには我儘言いたい放題の一般消費者を相手にしない商売をしている不動産会社に転職するしかないのではないかと思うわけであります。
そうは思わないかい?仲介出身の皆さん。